HOME >INDEX >FRANK ZAPPA (フランク・ザッパ)





COCAINE DECISIONS
'83年のアルバム「ザ・マン・フロム・ユートピア」に収録。「コカインやめますか。それとも人間やめますか。」のCMが始まった頃の一曲。当然ながらフランク・ザッパは決してコカインを勧めているわけではありません。あなたは甘い言葉にのってしまった。あなたは医者や弁護士といった我々とは違う階層の偉い人だけど、世界を飛び回る決定権を持った忙しいビジネスマンだけど、コカインがあなたが今日行なうことを決定する・・・といった内容。そしてそんなあなたの行動を「コカインが決定する」という表現は極めてザッパらしい皮肉なのですが、ザッパはそれをさらに「EXPENSIVE UGLINESS(カネがかかってさらに醜い)」と歌い、軽蔑しています。いかんせん、フランク・ザッパには名曲も多いのですが、アンダー・グラウンドのイメージが強くて大ヒットするわけではありません。しかし、実力は誰しも認めるところ。だからザッパを知らない人でも意外と聴いたことがあると思います。
SEX
同じく、ザ・マン・フロム・ユートピアに収録。〜いつでもどこでも誰でも話していることは?〜SEX。知的で人気者になりたければ?〜SEX。聖職者が生まれてくるためには?〜SEX。・・・確かにフランク・ザッパの仰るとおりだと思います。(汗)そして、ザッパの歌の合いの手に入る〜SEX の言葉が、似たところでは、レイ・パーカーJr.のゴーストバスターズでも女性バックコーラスの合いの手が入りますが、ちょうどあんな感じ(笑)。もしかすると、ザッパのコンサートで彼がこの歌を歌うときは観客総立ち(あのう・・・意味を間違えないで下さい。汗)でSEX! SEX! って叫んでいたんでしょうか・・・。クレイジーな様子が想像されます。ちなみに、ザッパが'71年モントルー、レマン湖でライブを行なっていた時、観客が打ち上げ花火を打ち上げて会場が火事になりその煙が湖上までたちこめた、というエピソードが・・・はい、カンのいい人ならもうお気づきでしょう。ディープ・パープルの名曲、「スモーク・オン・ザ・ウォーター」は、そのことが歌われています。
THE MAN FROM UTOPIA MEETS MARY LOU(medley)
これも同じく、ザ・マン・フロム・ユートピアに収録。もともとこの曲は、Man From Utopia という曲と、Mary Lou という曲があって、それをメドレー形式でつなげています。 Man From Utopia には Mary Lou という名前の彼女がいて彼女は彼のためになら何でもした。といういいストーリーの歌と、 Mary Louはひどい女だという悪いストーリーの歌がなぜか上手くつながっている・・・。結果として、このメアリー・ルーという女性にすごく惚れこんでいる様子がものすごく伝わってくるのです。あんまり他にこういった構成の曲はないので、ザッパはやっぱりすごい!と思ってしまいます。強いて似た展開の歌があるとすれば、太田裕美の「木綿のハンカチーフ」ですが、ザッパのほうが自嘲的でfoolishなために曲自体が楽しく仕上がっています。全然悲しくない。お気に入りの一曲です。。

'40年生まれ。メリーランド州ボルティモア出身。'65年にマザーズ・オブ・インヴェンションを結成。日本ではあまり人気は出なかったが、アメリカでは熱狂的なファンも数多い。グループ時代からだと30枚以上のアルバムをリリース、人気曲も数多い。'93年、52歳で他界。