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KYRIE (キリエ)
キリエさんと言う名前の女性を呼びかけている歌(笑)ではなくて、〜Kyrie Eleison(キリエ・エレイサン)というのはギリシャ語で、「主よ、哀れみたまえ」と、主への呼びかけ、を意味しているそうです。そして歌の内容は、・・・強く吹き付ける風が魂の中に入り込んでいる。肉体は宝石のように炎となって燃えている。魂と肉体のはざまに私は自分自身の本質を再発見する。主よ、哀れみたまえ。この道を私は旅しなければならない。・・・といった、極めて宗教色が濃いゴスペルで、それを曲調はロックに仕上げた、といった感じ。
日本でもアンルイスが「色即是空、空即是色」と念仏を唱えて(?)歌ったバラードがありましたが、しかしアンルイスの場合は曲のテーマがI Love you。この曲「キリエ」の場合は内容そのものが、「いばらの道を歩く人生を私は覚悟できている」そして「主よ哀れみたまえ」なのですから、本当に、コテコテのゴスペルといっていいでしょう。
サウンドはオーソドックスで爽やかなポップ・サウンドなので、やはり優秀なメンバーによる質の高い歌謡曲ということなのでしょうか。・・・まあ、ある程度中年のオジサン達が作って歌う曲ですから、おちゃらけた愛だの恋だの歌うよりは、こういったもう少し深い人間の本質を語るような、人生経験を生かした哲学的内容のほうが渋いし、本来の姿なのかもしれませんね。市場受けを考えるなら別ですけど・・・。って、この曲は全米1位をとりました。


ロサンゼルスのスタジオ・ミュージシャン出身。リチャード・ペイジ、スティーブ・ジョージが結成したペイジズを前身とする。新たにメンバーが2名加入しMr.ミスター結成。'84年デビュー。
'85年、2作目のアルバム「ウェルカム・トゥ・ザ・リアル・ワールド」からシングル「ブロークン・ウィングス」が全米1位を記録。続くシングル「キリエ」も1位、アルバムも全米1位の大ヒット。'89年解散。
リチャード・ペイジはTOTOやシカゴのボーカルとして声がかかったことがあったりマドンナの「I'll Remember」の作曲を手助けしたり、
スティーヴ・ファリスはホワイトスネイクやドン・ヘンリーのツアー参加、
スティーヴ・ジョージはケニー・ロギンズの音楽ディレクターをしたりジュエルのツアーに参加したり、
パット・マステロットは解散後、キング・クリムゾンのドラマーとして活躍するなど、メンバーはいずれも実力派。